家族信託の基礎知識

家族信託は「信託」と呼ばれる仕組みの1種です。 まずは「信託」とはどんな仕組みなのか、チェックしていきましょう。

「信託」の仕組みについて解説

カンタンに言うと「信頼できる人に 財産の管理を任せること」です。

具体的な仕組みを、家族信託の例を挙げて解説します。

事例

Aさんは70歳。妻であるBさんと一緒に暮らしています。Aさんは年金とマンションの経営で家計を支えてきました。

ある時、Bさんに認知症の症状が現れます。Aさんは介護をしながらマンションの経営を続けてきましたが、体力的にも厳しいと思うようになりました。

Aさんは、娘のCさんにマンションの経営を任せ、その利益を受け取りたいと考えています。どうすればAさんの願いは叶うでしょうか?

解決例

Aさんの希望は、信託の仕組みを使うと叶えることができます。
図は下記のとおりです。

  1. AさんはCさんと信託契約を結びます。
    この契約を結ぶとAさんのマンションの所有権(管理権やリフォームするかどうか決定する権利など)がCさんに移動します。
  2. 契約を結んだCさんは、Aさんのためマンションの経営をすることになります。
  3. マンションの経営をしていくことで利益が出たら、受益者Aさんにその利益を分配します。

以上が簡略化した信託の仕組みです。
自分の財産を信頼できる人に任せつつ、利益を受け取ることができる仕組みと言えるでしょう。

「信託」の種類について解説

信託には、目的や信託を受ける者の種類により、いくつかの種類に分かれています。 個人の信託は大きく分けて「民事信託」と「商事信託」に分かれています。

このうち家族信託は、財産を預かる相手が家族であることが特徴です。