信託契約を結び、自分の財産を受託者に託す人のこと。
信託契約の枠組みの中では、受益者と比べて一つ下の地位に置かれています。
なぜひとつ下の地位に置かれているかというと、受益者と委託者で意見が違った場合に信託の業務が停滞することを避けるためです。
ひとつ下の地位に置かれているといっても、何の権利も持っていない、というわけではありません。
以下のような権利は委託者の権利として認められています。
受益者に認められている権利を、委託者にも認めるということも可能です。
例えば、
信託契約を結んで委託者から財産を預かり、管理したり運用したりする人。
個人も法人も受託者になることができますが、法人が業務として引き受けるためには資格が必要なことには注意が必要です。
信託契約においては、この受託者を誰にするかは、最も気をつけるべきポイントだと言えるでしょう。
受託者の候補者が、もし信託を受けた財産を好き勝手使ってしまう人であれば、信託契約の目的を果たすことができなくなります。
財産をきちんと管理・運用できる人物かどうか、十分注意して見極める必要があります。
受託者になった人には、以下の通り様々な義務を課せられます。
以上のような義務を守りつつ、誠実に信託財産を運用することが、受託者には求められているのです。
ここまでお読みいただいた読者の方の中には、
じゃあ信託財産の所有者は誰になるのか
という疑問を抱かれた方も多いかと思います。
信託財産を管理する受託者にあるのか、それとも現実的な利益を受ける受益者にあるのか・・・、複雑そうに思えますね。
答えは、「形式的には受託者・実質的には受益者」です。
信託契約を結ぶと所有権は受託者に移ります(そうしないと売買などができないですね)
が、実質的には利益を受ける人は受益者のため、受益者が所有者ともいえるのです。
受託者がきちんと信託財産を管理・運用しているかどうかチェックする人のこと。
受益者が知的障害者や認知症など受託者を管理できない事情がある場合などに選びます。
信託によって利益を受ける権利を持った人のこと。契約の仕方によっては、委託者と同一人物になったり、受託者と同一人物になったりもします。 家族信託の場合は、「認知症になった親」「一人での生活が難しい障害者の子」「浪費家の子(多額の資産を相続した場合、計画的に運用できない心配のある人)」などを受益者に設定します。