家族信託について、自分の財産を民法の規定に縛られることなく、 管理したり相続したりできる仕組みです。
長期間を当事者を縛ることも可能なため、設計や運用には当事者同士の意思のすり合わせや、トラブルを未然に防ぐ設計をすることが不可欠です。
ここでは最後に、家族信託をするときに気をつけるべきポイントをお伝えします。
信託を考える際は、当事者と親族で必ず話し合いの機会を設け、信託の契約の目的を共有しましょう。相続時に「そんな信託は知らなかった」と言って、遺産争いのもとになってしまっては元も子もありません。
信託の事務を行う受託者の責任は重大です。家族信託の場合は、親族が受託者になる場合が多いので、うまく運用できない可能性も考えられます。
そういったことを回避するため、信託監督人をおいたり、受託者を複数にするなど工夫をすることが大切です。
家族信託を始めた場合、資産の所有権は受託者に移ります。
そのため、受益者の入院費用の支払いなどは受託者が行うことが可能になります。
しかし、入院する場合の契約書にサインをすることはできません。
受託者は「身上監護権」という権利を持っていないためです。
「親が認知症になった場合に備える」のが信託の目的の場合は、家族信託と合わせて「身上監護権」をもった成年後見制度を利用することも考えましょう。